ウサギとトラ
自分が自分以外のものになろうとした時、
他人を他人以外のものにしようとした時に、
苦しみが生じます。
「どうしてできないの！？」
「どうしてわからないの！？」
「何年経っても進歩がない！」
そう言って自分や他人を
責めることになりかねません。
職場でのこんな会話があります。
「あの子、入社して3年も経つのにこんなこともできないのよ！」
「あいつ、未だにこの程度のことしかできないなんて！」
続く言葉が
「こっちは一人でこれだけの業務をこなしているんだ！」
「しわ寄せが全部こっちに来る！！」
です。
あなたがたった一人でやっていることを、
あの人はできない。
そのことが許せない。
自分はこんなに一生懸命やっているのに！！
しかしここには見落とされている点があります。
本当は気づいているけど、
気づかないふりをしているだけかもしれません。
あなたにできないことを、あの人はしている。
そんなことはありませんか？
よーく思い出してみて下さい。
あなたが効率良く業務をこなし、
完璧な資料を作成しようと
頭をフル回転させている側で、
あの人は他の人達とお茶を飲みながら談笑している。
あなたが必死に新規の企画を
仕上げようとしているそのすぐ近くで、
あの人はいつも通りの単調なルーティン・ワークを
のほほんとしている。
「だからそれが許せないんだ！」
「こっちは仕事してるのに！！」
効率の良さ＝仕事ができる証し
新規の企画＝仕事ができる証し
そのように考えているのですか？
確かにその通りだと思います。
いかにも仕事ができる人、というイメージです。
しかし、本当にそれだけでしょうか？
仕事＝業務がすべてではないですよね。
心の底では、年配の人達とも分け隔てなく談笑できる
あの人の屈託の無さに嫉妬してはいませんか？
”仕事ができる”という素質の中には
”人間関係”も含まれることに薄々気づいているのではないですか？
あなたはあなたの能力を活かしている。
あの人はあの人のキャラクターを活かしている。
お互いにそれぞれキラッと光るものを持っている。
そうは言えないでしょうか？
ここであえて例えを用いますが、、、
『動物』と一言で言ってもその中には
トラやウサギ、カバやゾウ、サル・リス・ヒツジ、など
実に様々な生き物がいます。
それぞれに肉食であったり、
毛皮で覆われていたり、
水辺を好むものや、
飛び跳ねるもの、
など多岐にわたる特徴があります。
もしもウサギが
「どうして自分はトラのように速く走ることができないんだ！」
「なぜ自分はトラのように鋭い牙で獲物をし止めることができないんだ！」
なんて考えていたとしたら・・・？
トラじゃない自分を責めるウサギなんて、
なんだか滑稽ではありませんか？
逆も同じだと思います。
「おまえはなぜ私のように速く走ることができないのだ！？」
「・・・え？だって私はウサギですから。飛び跳ねるようにできてるんです。」
「おまえはなぜ私のように鋭い牙で獲物をし止めることができないのだ！？」
「・・・え？だって私はウサギですから。草食なんですぅ～。」
「おまえはどうしてそうなのだ！いつまでもそんな女々しいことばかり言って！
やる気があるのか！？一体何年動物をやっているんだ！？」
「・・・あ、あの～。」
トラはトラとしての特徴があり、それゆえの良さがあります。
ウサギにしてもそうです。
『社会人』と一言に言っても、職場には様々な人がいます。
私達は集団行動や、空気を読む、和を乱さない、ということを
良しとする社会で育てられてきましたが、
そもそも私たちは一人ひとり違う人間なのです。
みんなが同じように同じことをできるだけでも
すごいことだとは思いませんか？
あの人の苦手をあなたが助ける、
あなたの苦手をあの人が助ける、
それが協力し合う、というではないでしょうか？
世の中は、そうやってお互いに感謝し合えるように
なっているのかもしれません。
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心理カウンセリング/マインドブロックバスター
石川県金沢市
カウンセリング・ルーム 楽庵
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